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IIが入る間脳の位置
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知覚系の脳神経が一般に脳幹に入って対側の視床を目指すのに対し、IIは脳幹を経ず間脳に入る。したがって間脳がむき出しになっている部分に入る。解剖モデルで示したように、間脳には前方と後方に、終脳に覆われていないむき出し部分がある。IIは入力系だから後方むき出し部分に入る。完成した脳で、視索は脳幹の横を通って、この間脳後半部むき出し部の一部である、外側膝状体へ入る。このむき出し部分は、実際には微妙に下向きであるため、CTでは視索が外側膝状体に入る部分は、スライスと平行になるため同定しにくいが、注意して見れば同定できることがある。
≪図 CTで外側膝状体をさがすCT画像≫
●IIはなぜ脳の外で交叉するか
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中枢神経系内では、IIの回路は外側膝状体をとおり、これより番号の大きい、すなわち尾側の脳神経であるVIIIの回路は内側膝状体を通る。等高線理論から、中枢神経の内部では回路はIIのほうがVIIIよりも表層を走行する。だからIIが外側(つまり表層側)膝状体、VIIIが内側(つまり深層側)膝状体を通るのである。