終脳の発達

ホーム目次I-2解剖モデルができるまで>終脳の発達

 
Copyright (C) Namekuji-man 2012

ホーム目次I-2解剖モデルができるまで>終脳の発達

終脳の発達

 

    終脳は、間脳に連続しておおきく膨らむだけでなく、間脳を飲み込むように発達する。その結果生じる図形的特徴は2つある。@終脳の外側部は間脳をとびこして脳幹と直接連続するようになる、A間脳の前方と後方には飲み込まれずにむき出しの部分が残る。
≪図 終脳の発達の2つの特徴≫

●間脳のむき出し部分

 

    終脳が間脳をとばして直接脳幹と連絡する部分があるということは、ここを回路が通ることを意味する。そして、この構造は発生の最後の方にできた構造なので、ここを通る回路は新しい機能を担当する。具体的には、運動促進・運動抑制・協調運動の回路が通る。これらはみな運動の回路である。それと対照的に、知覚の回路は、脳幹から必ず視床を経て終脳へ到達する。
≪図 脳幹上端(中脳)の断面≫

●[傍視床白質」

 













    傍視床白質の3つの部分の、下方への延長部分は、大脳脚に相当する。大脳脚は中脳のうち、外側にでっぱっている。このように、後からできた新しい機能を担当する構造は、大きくて出っ張っている傾向がある。
≪図 傍視床白質と大脳脚との連続≫

●新しい構造は出っ張っている

 

    間脳の立場に立ってみると、下方は脳幹と、中脳のうち大脳脚を除いた部分で連続している。それ以外の周囲はほとんど終脳に覆われてしまうが、前方と後方は、覆われないで剥き出しの状態で残る。
●この2スライスの連続性