回路の概略

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回路の概略

 

    認識と行動は、それぞれ、知覚の高級なもの、運動の高級なもの、である。回路は、すべて終脳(大脳皮質)内で完結する。
●連合野
●入力系大脳の形

 

    認識は入力系の機能なので、回路を形成する大脳皮質は、中心溝より後ろ(背側の脳)にある。回路は、通常優位半球である、L大脳皮質上で考えるとよい。
≪図 認識を担当する領域≫

 

    認識の回路の始点は、体(脊髄神経経由)の知覚の終点である頭頂葉感覚野(#3・1・2)と、聴覚の終点である側頭葉聴覚野(#41)と、視覚の終点である後頭葉視覚野(#17)の3つである。
≪図 認識の回路の3つの始点≫

 

    体の知覚の認識の回路は、#3・1・2から始まり(このため一次知覚野とよばれる)、となりの#5、さらに隣の#7(一次知覚野から信号を受け継ぐのでこれらを二次連合野という)へ行き、最後に#39・40(二次連合野から信号を受け継ぐので三次連合野という)へ到達する。

 

    同様に、聴覚の認識の回路は、#41(一次聴覚野)から始まり、隣の#42、さらに隣の#22(これらは二次連合野で、特にWernicke中枢とも呼ばれる)へ行き、最後に#39・40(三次連合野)へ到達する。

 

    同様に、視覚の認識回路は、#17(一次視覚野)から始まり、隣の#18、さらに隣の#19(二次連合野)へ行き、最後に#39・40(三次連合野)へ到達する。

 

    したがって、認識の回路の終点は、#39・40である。これは、頭頂葉と側頭葉と後頭葉の中間的位置にある。
≪図 認識の回路の始点から終点まで≫

 

    一次知覚野(身体の知覚、聴覚、視覚)から、それぞれ二次連合野・三次連合野へとつながる過程で、知覚の性質が高度になってゆく。身体の知覚なら、一次知覚野では「触れている」という情報であるが、二次・三次連合野へ行くと、たとえば「形」として認識されていく。聴覚なら、一次知覚野では「音」情報であるが、二次・三次へいくと、たとえば「語・文やメロディ」として認識されていく。視覚なら、一次知覚野では「光」情報であるが、二次・三次連合野へ行くと、たとえば「顔」として認識されていく。

 

    認識の終点である#39.40では、体の知覚・聴覚・視覚の全てを通して認識された、形・メロディ・顔が総合的に、意味のあるものとして認識される。

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