固有か非固有か

教科書でいう「固有」には、身体の内部の情報を伝えるという意味と、受容器が身体内にあるという意味の2つの意味があり、混乱がある。本書では、身体内部の情報を伝える性質を「固有」、身体の外部からの情報を伝える性質を「非固有」とよぶ。非固有の入力情報(=非固有知覚)の回路はまず対側の視床に到達し、最終的に対側の終脳に到達して意識にのぼる。一方、固有の入力情報の回路は同側のPaleocerebellumに到達し、対側の赤核に到達するが、視床や終脳には達しないので意識にのぼらない。入力情報が意識されることを本書では知覚という。この点で「非固有知覚」はあるが「固有知覚」はない。「固有知覚」は知覚ではないが、入力情報なので、本書では、「〜情報」と呼ぶ。

 


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