「後索核」が指すもの

関節荷重覚の回路では、教科書では「後索核」は楔状束核+薄束核のことを指す。一方平衡の回路では、教科書では「後索核」は副楔状束核のことを指す。ところで平衡の回路では、R下半身からの情報はR後索を上行してR胸髄核で中継し、次にR側索を上行してR下小脳脚を通ってR Paleocerebellumに到達する。つまり脊髄内では後索と側索の両方を通る。R上半身からの情報はR後索を上行し、R副楔状束核で中継し、R下小脳脚を通ってR Paleocerebellumに到達する。つまり脊髄内では後索のみを通る。

平衡の回路がかならずしも後索だけを通るのではない点、楔状束核+薄束核は知覚、副楔状束核は平衡、という異なる機能の異なる回路を構成する構造であるのに同じ「後索核」という語が用いられている点に注意が必要である。本書では「後索核」という語を用いない。

 


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