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等高線理論
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ほとんどの脳神経は脳幹から、脊髄神経はすべて脊髄から出る。脳幹からは頭部への神経が、脊髄からは上肢・下肢への神経が出る。脳幹・脊髄上、これらの末梢神経が出る位置は、上から下の順に、頭・上肢・下肢に対応している
≪図 末梢神経が出る位置は脳幹・脊髄上を上から下≫。
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ヒトより下等な動物たとえば魚では、頭と尾が主な身体の構造であった。したがって脳幹・脊髄上は、上から下に向かって頭・尾が対応していた。また、大脳皮質運動野は、出力系の脳なので終脳の腹側にあって、概ね矢状断面上にあって、赤道から北極に向かって頭・尾の対応が並んでいた。脳幹・脊髄上の頭・尾と、大脳皮質運動野上の頭・尾の間にはそれぞれを結ぶ回路が走行していた。
≪図 魚のころの脳幹・脊髄と、運動野での身体対応≫
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ヒトへ進化するにつれて身体上、頭・尾の間に上肢・下肢ができてきた。これに対応して脳幹・脊髄は、中央部が新しく伸び、頭と尾の間に上肢・下肢に相当する部分ができた。同時に、大脳皮質運動野上も、頭と尾の間が新しく伸び、上肢・下肢に相当する部分ができた。脳幹・脊髄と、大脳皮質運動野との間には、頭・尾の間に、ちょうど等高線が交わらないで分布するように、上肢・下肢の回路が対応することになった。
≪図 脳幹・脊髄と、大脳皮質野に、それぞれ上肢下肢部分が頭と尾との間に発達した≫
●ネコの運動野
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その結果、傍視床白質中央部上の身体対応と、大脳皮質運動野上の身体対応は、ほぼ平行で、前方から頭・上肢・下肢・尾の順に並ぶことになった。
≪図 この段階では大脳皮質運動野上と傍視床白質中央部上で身体対応は平行≫
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この身体対応の並び順は、傍視床白質中央部から連続する構造である大脳脚中1/3においても同様で、前方から頭・上肢・下肢・尾の順に並ぶ。
≪図 大脳脚中1/3での身体対応≫