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□ 平衡機能は、入力部分と出力部分とがセットになった、一種の反射機能である。重力に拮抗して姿勢を保つために機能する。
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平衡機能の入力部分は、視線情報、前庭情報、筋・腱伸縮情報、の3つである。出力部分は、視運動、自律神経運動、姿勢保持筋運動の3つである。
≪図 平衡を構成する3つの入力と3つの出力≫
このうち筋腱伸縮情報は、従来の教科書では非意識型深部感覚として感覚に含められている部分、姿勢筋調節は、従来の教科書では錐体外路の一部として運動にふくまれている部分である。
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このうち本書で取り上げる重要なものは、入力として前庭情報と筋・腱伸縮情報、出力として姿勢保持筋運動である。
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平衡機能は反射機能なので、機能の障害は結果として出力の異常として現れる。姿勢保持筋運動の異常はふらつき、まっすぐ歩けないなど、自律神経活動の異常は悪心・嘔吐、視運動の異常は眼振として現れる。
●失調について(前出)
●めまいはなぜ起こるか
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反射の中心となる脳の構造は、ArcheocerebellumとPaleocerebellumである。入力と出力との間にある機能なので、もともとはこれらの構造は解剖的に後側と前側の中間の位置にあったが、発生途中で入力担当の構造の正中を分けながら後側へとびだした結果、脳幹レベルで入力を担当する構造より背側で正中に位置することになった。
≪図Archeocerebellum, Paleocerebellumの発生≫