●運動のグループ分け
従来のグループ分けに準じ、運動機能を随意と不随意に分けると、@運動促進は随意運動、A運動抑制、B筋緊張維持は不随意運動、C協調運動は立場保留という不思議なことになっている≪図 随意運動と不随意運動≫。
錐体路系と錐体外路系に分けると、@運動促進は錐体路系、A運動抑制、B筋緊張維持、C協調運動は錐体外路系だが、平衡の出力部分も錐体外路系に含まれるという不思議なことになっている≪図 錐体路と錐体外路≫。
障害されたときの症状から分けると、@運動促進、A運動抑制が錐体路徴候、B筋緊張維持が錐体外路症状、C協調運動は立場保留、という不思議なことになっている≪図 錐体路徴候と錐体外路症状≫。
このように、随意運動と不随意運動の境界が不明瞭であること、錐体外路が指す範囲が正確に定義されていないこと、運動抑制の回路は錐体を通らないが、その他のほとんどの部位で運動促進の回路と並走しているため同時に障害されることが多いことからこれら2つの機能の障害を併せて錐体路徴候と呼ぶことから、グループ分けが定まらない。受け持ち医師によって指すものが異なることもある。本書では、グループ分けはしない。